MB, DOF, Glowの適用順序

Sep 18, 2025 5 min

推奨順序と注意点

動き・奥行き・光の表現の自然な融合が図れる。

推奨順序エフェクト注意点
1Motion BlurDOF後にMBをかけると、すでにぼけたピクセルに対してブラーを計算するため、輪郭が二重にぼけてシャープ感が失われる。特に高速移動オブジェクトで「残像感が二重化」し、不自然になる。
2Depth of FieldMB前にDOFを適用すると、動きに応じた正確な画素位置情報が反映されず、遠近感や焦点感が不自然になる。また、動きのある被写体に二重ぼけが生じやすい。
3GlowMB/DOF前にGlowを適用すると、ぼかし処理によって光が過剰拡散され、コントラスト低下や「CG感の強調」が起きる。特に夜景や発光体を含むショットでは不自然さが目立つ。

1. モーションブラー(Motion Blur)

  • 役割:動きのあるオブジェクトに対し、速度ベクトルに基づいたブラーを生成する。
  • 適用タイミング:最初に処理することが推奨。
  • 理由
    • 被写界深度を先に適用すると深度情報がぼやけ、正確なモーションベクターが失われる。
    • 結果として輪郭破綻や二重ぼけが発生し、動きの自然さが損なわれる。

2. 被写界深度(Depth of Field, DOF)

  • 役割:オブジェクトの深度情報に基づき、ピクセル単位で焦点の前後にぼかしを付与する。
  • 適用タイミング:モーションブラー後。
  • 理由
    • MB後の正確な画素位置情報を用いることで、近景・中景・遠景間の自然なフォーカス表現が可能。
    • 先にDOFをかけると、動きのあるオブジェクトに二重ぼけが生じ、遠近感やフォーカス感が不自然になる。

3. グロー(Glow)

  • 役割:輝度の高い領域を拡散させ、柔らかな光表現を付与する。
  • 適用タイミング:MB・DOF処理後。
  • 理由
    • 既存のブラー情報を尊重しつつ光の演出を調整可能。
    • 先にグローを適用すると、MBやDOFによって光が過剰に拡散され、コントラスト低下やCG感の強調が生じる。

~Yu Tokunaga