ログ解析・フォレンジック論
Aug 4, 2025 10 min
概要
本章では、サイバー攻撃やインシデント発生時の「証拠」となるログ解析・フォレンジック技術について体系的に解説する。ログの収集・分析・保全から、時刻同期、初動対応、証拠の信頼性確保まで、実務・試験対策の両面で役立つ知識を身につける。
1. ログ管理の基礎
- ログの種類:アクセスログ、認証ログ、システムログ、アプリケーションログ等
- ログの収集:SIEMによる統合管理、エージェント型収集
- ログの保全:改ざん防止、長期保存、暗号化
- 時刻同期:NTPによる全機器の時刻統一
2. フォレンジック技術
- フォレンジックとは:インシデント発生時に証拠を収集・分析し、原因究明・再発防止に役立てる技術
- 初動対応:証拠保全、端末隔離、メモリ・ディスクイメージ取得
- 分析手法:タイムライン分析、ファイル改ざん検知、通信履歴解析
- 法的要件:証拠能力、チェーン・オブ・カストディ(証拠管理履歴)
3. 実践的なログ解析・フォレンジック
- SIEMによるリアルタイム監視・アラート
- インシデント発生時の証拠保全手順
- フォレンジックツール:Autopsy, FTK, EnCase, Volatility
- 時刻同期・証拠保全の運用ポイント
4. 最新動向と課題
- クラウド・SaaS環境のログ管理
- AIによる異常検知・自動分析
- 法的要件の強化(GDPR, 個人情報保護法等)
- フォレンジック人材育成・訓練
5. 試験対策の観点
- ログの種類・収集・保全・時刻同期の仕組み
- フォレンジックの初動対応・証拠保全手順
- SIEM・フォレンジックツールの役割
- 法的要件・証拠能力のポイント
実務・試験ともに「収集→保全→分析→報告」の流れで体系的に理解することが重要。
~Yu Tokunaga